親の土地に建てる春日井の注文住宅の税務相談と見積もり注意点

2026.09.06

この記事でわかること

  • ✔︎
    親の土地は使用貸借で借りる判断基準
  • ✔︎
    贈与の非課税特例を使う際の期限と要件
  • ✔︎
    解体費や擁壁など見積書に出にくい費用

親名義の土地に住宅を建てる計画は、土地の取得費が不要になるという分かりやすい利点があります。その一方で、土地を購入して家を建てる場合には発生しない検討事項が数多く生まれます。土地を無償で借りるのか賃料を払うのか、建物の名義を誰にするのか、資金援助を受けるならどの制度を使うのか。これらは建築の打ち合わせではなく、税務と登記の領域で判断すべき論点です。

さらに春日井市の実情として、既存の住宅や納屋が建ったままの敷地、道路との高低差がある区画、上下水道の引き込み口径が現行基準に合わない土地といった条件が重なりやすく、建物本体以外の費用が想定より膨らむ場面が少なくありません。住宅会社の初回見積もりに含まれない項目を、契約前にどこまで洗い出せるかが総額を左右します。

本記事では、親の土地に注文住宅を建てる際の税務上の判断軸と、春日井市の敷地条件に起因する見積もりの注意点を、実務の流れに沿って整理します。専門家へ相談する前の予備知識として活用いただける内容を目指しています。

1. 春日井での使用貸借と賃貸借の違いを相談

親の土地に子が家を建てる場合、土地の使用権をどのような形で設定するかが最初の分岐点になります。実務上の選択肢は、無償で借りる「使用貸借」と、地代を支払う「賃貸借」の二つです。この違いは日常生活ではほとんど意識されませんが、将来の相続税評価額に直接影響するため、着工前に方針を固めておく必要があります。

使用貸借は、土地を無償または固定資産税相当額程度の負担で借りる形態です。この場合、借地権という財産的な価値は発生しないものとして扱われ、贈与税の課税対象にはなりません。親から子への一方的な貸与という性質上、借主の権利は法的に弱く、貸主の相続が発生した際には土地が自用地として評価されます。つまり評価額の減額はありません。

一方の賃貸借は、権利金や相応の地代を伴う取引です。適正な権利金を支払わずに通常の地代だけを払うと、その差額が借地権の贈与とみなされ、多額の贈与税が課される可能性があります。これを避けるために「借地権者の地位に変更がない旨の申出書」を税務署へ提出する方法もありますが、手続きが煩雑で、親族間では実益が乏しい場面も見られます。

春日井市の住宅街では、親世帯が長年所有してきた敷地を分割して子世帯が建てるケースが目立ちます。実務上は使用貸借を選ぶ家庭が大多数で、地代を設定するのは事業用資産としての活用を並行して考えている場合に限られる傾向です。形式より、将来の相続時にどう評価されるかを起点に選ぶ姿勢が求められます。

固定資産税相当額の負担は無償と同じ扱いになる

子が土地の固定資産税を負担しても、その水準であれば使用貸借の範囲内と判断されます。賃料と認められるのは、周辺相場に照らして客観的に対価性のある金額です。負担額の性格を誤認したまま「賃貸借にしたつもり」になっている事例は少なくありません。

相続発生時の評価差を試算してから決める

賃貸借であれば貸宅地評価となり評価額は下がりますが、親側に地代収入が生じ所得税の申告義務が発生します。目先の負担と相続時の効果は連動しません。両方を並べた試算を税理士へ依頼し、家族全体の税負担で比較する手順が確実です。

比較項目 使用貸借 賃貸借
対価 無償または固定資産税相当 権利金・地代を支払う
借地権 発生しない 発生する
相続時の評価 自用地として評価 貸宅地として減額
親側の申告 原則不要 不動産所得の申告が必要

関連記事:狭小地でも開放感を諦めない春日井の注文住宅設計アイデア

2. 親からの住宅資金贈与の特例を活用する方法

土地の負担がない分、建物へ資金を集中させたいと考える家庭では、親からの資金援助を検討する場面が出てきます。ここで検討対象になるのが、直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税制度です。一定額まで贈与税がかからない仕組みで、住宅の性能や契約時期によって非課税枠が変わります。省エネ等住宅に該当すれば枠が拡大されるため、仕様の決定と税務判断が連動します。

この制度で見落とされやすいのが期限の管理です。贈与を受けた年の翌年3月15日までに住宅を取得し、その家屋に居住しているか、居住が確実であると見込まれる状態でなければなりません。注文住宅は着工から引き渡しまで一定の期間を要するため、資金を受け取る時期が早すぎると要件を満たせない恐れがあります。贈与のタイミングは、工事請負契約と引き渡し予定日から逆算して決めるという発想が欠かせません。

また、非課税枠の範囲内で贈与税が発生しない場合でも、申告そのものは必要です。申告を失念すると特例の適用を受けられず、本来不要だった税額が生じます。贈与を受けた事実を証明する資料として、振込記録を残す形を選び、現金の手渡しは避ける運用が安全です。

春日井市で建てる場合、地域の工務店が長期優良住宅やZEH水準の仕様に対応しているかによって、適用できる枠が変わります。設計段階で性能証明の取得可否を確認し、書類の発行時期まで含めて工程に組み込んでおくと、申告時に慌てずに済みます。相続時精算課税制度との併用可否も含め、家庭の資産状況に応じた組み立てを税理士へ相談する流れが現実的です。

資金の受取時期は請負契約の直前が扱いやすい

着工の目処が立たない段階で受け取ると、翌年3月15日の期限に間に合わないリスクが残ります。契約と着工の日程が確定してから振り込む段取りにすれば、要件充足の見通しが立ちやすくなります。工程表を共有して調整してください。

贈与か貸付かを書面で明確にしておく

返済の意思がある資金は借入となり、金銭消費貸借契約書と返済実績が求められます。曖昧なまま受け取ると、後に贈与と認定される場面があります。どちらの性格で受け取るのかを、資金移動の前に書面で確定させておく対応が有効です。

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3. 春日井の敷地調査で判明する先行解体費の見積もり

親の敷地には、既存住宅のほかに納屋や車庫、ブロック塀、古い浄化槽といった構造物が残っている場合があります。これらの撤去費用は、住宅会社の初期見積もりでは概算のまま計上されるか、そもそも別途工事として除外されていることがあります。敷地調査を経て正確な数量が判明した段階で金額が上振れし、資金計画に影響する展開は珍しくありません。

解体費が変動する主因は、構造種別と搬出条件です。木造平屋と鉄骨造の倉庫では単価が大きく異なり、屋根材や壁材にアスベスト含有の可能性がある年代の建物では、事前調査と有資格者による除去作業が必要になります。事前調査の結果報告は法令上の義務であり、費用と工期の双方に反映されます。

春日井市内には、幹線道路から一本入った狭い生活道路に面した敷地が多く存在します。大型の解体重機やダンプが進入できない場合、小型機械での作業や手壊し、人力での搬出が加わり、同じ延床面積でも費用が上がります。現地の前面道路幅員と近隣の作業スペースを、見積もり依頼時に必ず伝えることで精度が高まります。

地中埋設物の存在も見逃せません。古い基礎、井戸、浄化槽、瓦礫などが掘削中に出てくると、撤去と処分の追加費用が発生します。契約書に地中障害物が出た場合の費用負担と精算方法を明記しておけば、施主と施工者の認識の食い違いを避けられます。解体を親が発注するか子が発注するかによって、費用の負担者と贈与の論点にも関わるため、税務面の確認も並行して進めてください。

アスベスト事前調査の有無を見積書で確認する

一定規模以上の解体では、調査結果の報告が義務付けられています。見積書に調査費や除去費の項目がない場合、後から別途請求される可能性があります。項目の記載有無を、契約前に一行ずつ照合しておく姿勢が求められます。

解体と建築を同一業者に任せる利点

分離発注は単価を抑えられる反面、工程の遅れが生じた際の責任範囲が曖昧になります。建築会社へ一括で任せると、地縄張りから着工までの日程管理が一本化され、地中障害物への対応も速やかに進みます。総額と工程の両面で比較してください。

4. 注文住宅を二世帯住宅にするか離れにするかの選び方

親の土地に建てる計画では、既存の親世帯住宅を残したまま子世帯の建物を新築する形と、既存建物を解体して二世帯住宅を建てる形の二つが検討対象になります。どちらを選ぶかは生活面の希望だけで決まるものではなく、建築基準法上の制約と税制上の扱いが判断に深く関わります。

まず押さえるべきは、一つの敷地には原則として一つの建物しか建てられないという一敷地一建築物の原則です。既存の住宅を残して新たに独立した住宅を建てる場合、敷地を分割して二つの敷地として扱う必要があります。分割後の各敷地が、接道義務や建ぺい率・容積率の要件を満たすかどうかが前提条件になります。春日井市内の古くからの住宅地では、分割すると接道幅が不足し、片方の敷地が再建築不可となる例も見られます。

用途上不可分の関係にある「離れ」として建てる方法もありますが、この扱いは台所・浴室・便所のうち一部を持たない建物に限られるのが一般的です。独立した生活が可能な設備を備えると、独立住宅と判断されます。行政の窓口ごとに運用の細部が異なるため、計画段階で春日井市の建築指導部門へ確認する手順が確実です。

税制面では、二世帯住宅を選ぶと小規模宅地等の特例の適用範囲が広がる可能性があります。区分登記をしていない一棟の建物で親子が同居している場合、被相続人の居住用宅地として評価減を受けられる余地が生まれます。建物の形態と登記の方式が、相続時の評価額を左右する関係にある点を理解した上で、間取りの検討を進めてください。

完全分離型は登記方式の選択が重要になる

玄関から水回りまで分ける完全分離型は、生活の独立性が保たれます。ただし区分登記を選ぶと小規模宅地等の特例の適用が制限される場合があります。共有登記や単独登記との違いを、税理士へ確認してから決めてください。

敷地分割は接道と面積の両方を検証する

分割後に幅員4m以上の道路へ2m以上接する条件を満たす必要があります。建ぺい率の計算も敷地ごとに行うため、想定した規模の建物が建たない事態も起こります。設計者に分割案の検証を依頼する段取りが先決です。

関連記事はこちら:地盤の強さを徹底調査して小牧に建てる注文住宅の基礎補強実例

5. 春日井での注文住宅の相続税対策を見据えた登記の相談

建物が完成すると、表題登記と所有権保存登記を行います。この際に誰の名義とするかは、単なる手続き上の選択ではなく、将来の相続に向けた設計そのものです。資金を出した人と名義人が一致していなければ、その差額は贈与とみなされます。実務では、この原則を知らないまま登記を済ませてしまい、後から税務署の指摘を受ける例が生じています。

親の土地に子が建物を建てた場合、土地は親、建物は子という名義構成が一般的です。この状態で親の相続が発生すると、土地が相続財産となります。子が同居していて要件を満たせば小規模宅地等の特例により評価額を大幅に減額できる可能性がありますが、生計を別にしている場合や区分登記の二世帯住宅では適用外となる場面があります。

春日井市は名古屋市への通勤圏として世帯の移動が活発な地域であり、将来的に子世帯が転勤や転居をする可能性も考慮に入れる必要があります。同居要件を前提とした対策は、居住実態が変われば効果を失います。制度の適用は、相続開始時点の状況で判定されるという性質を念頭に置き、複数の想定で検討しておくと安心です。

また、兄弟姉妹がいる家庭では、特定の子だけが親の土地に建物を建てることになるため、相続時に他の相続人との間で不均衡が生じます。遺言書の作成や、生前に家族で意向を共有する機会を設ける対応が、後の紛争を防ぎます。登記の方針は司法書士、税務の判断は税理士と、専門領域が分かれる点にも留意してください。

登記前に確認したい点


  • 資金の拠出割合と建物の名義が一致しているかを、契約前に照合しておく

  • 兄弟姉妹への配慮として、遺言書や家族間の合意形成を並行して進める

資金負担割合と登記持分をそろえる

親が建築費の一部を負担したのに建物を子の単独名義とすると、負担分が贈与と扱われます。持分を出資割合どおりに登記すれば、この問題は生じません。振込記録を残し、資金の流れを説明できる状態にしてください。

住宅ローン控除との整合性も確認する

持分登記の内容は、住宅ローン控除の控除額にも影響します。ローンを組む人と登記名義人が食い違うと、控除を受けられない部分が出ます。金融機関の担当者と司法書士へ、同じ資料を示して事前に照合を依頼する流れが安全です。

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6. 水道メーターの増設や引き込みの見積もり

親の敷地に新たな建物を建てる際、上下水道の取り扱いは見積もり差が生まれやすい領域です。既存の親世帯宅がすでに給水を受けている土地であっても、子世帯の建物へそのまま分岐して使えるとは限りません。市の給水条例では一つの建物に一つのメーターを設置する運用が基本であり、独立した住宅として建てるなら新規の給水装置工事が必要になります。

費用の内訳は、道路部分の本管から敷地内へ引き込む工事、メーターボックスの設置、宅内配管の接続に分かれます。前面道路がアスファルト舗装であれば、掘削後の復旧費が加わります。加えて春日井市を含む多くの自治体では、給水装置の新設時に口径に応じた加入金の納付が求められます。口径13mmと20mmでは金額が変わり、二世帯住宅で同時使用が多い計画では20mm以上を選ぶ判断が出てきます。

既存の引き込み管が13mmのまま古い時代の仕様で残っているケースでは、水圧不足を避けるために口径変更が推奨されます。この場合、既設管の撤去と新設が同時に発生し、単純な増設より費用が上がります。敷地に入っている既存管の口径と埋設位置を、設計の初期段階で市の窓口へ照会しておくと、後からの計上漏れを防げます。

排水についても同様の確認が要ります。公共下水道の供用区域であれば公共汚水ますへの接続となり、ますの位置によっては敷地内の配管ルートが長くなります。供用区域外で浄化槽を設置する場合は、本体費用に加えて設置後の保守点検と法定検査が継続的に必要です。見積書に「別途工事」とだけ書かれている項目は、必ず金額の根拠まで確認してください。

加入金と工事費は別物として把握する

加入金は市へ納める負担金であり、工事店へ支払う施工費とは性格が異なります。見積書に工事費のみ記載され、加入金が含まれない構成も珍しくありません。どちらが誰への支払いなのかを、項目ごとに整理してください。

親世帯との分岐利用は将来の精算が課題になる

既存メーターから分岐して使う形は初期費用を抑えられますが、水道料金を世帯で按分する手間が続きます。相続で名義が変わった際の扱いも曖昧になります。長期の管理負担を踏まえ、独立設置を基本に検討する姿勢が実務的です。

参考ページ:猛暑をパッシブデザインで克服する愛知の注文住宅の軒の深さ検証

7. 共有名義にする場合の持分比率の選び方

建物を親子の共有名義とする選択は、資金を双方が出し合う計画で自然に浮上します。ここで守るべき原則は明快で、持分比率は実際に負担した金額の割合と一致させる必要があります。建築費の総額が4,000万円で、親が1,000万円、子が3,000万円を負担したのであれば、持分は4分の1と4分の3となります。

この比率がずれると、差額分について贈与があったものとして扱われます。たとえば全額を子が負担したにもかかわらず持分を2分の1ずつにすると、親へ2,000万円相当を贈与した計算になり、多額の贈与税が課される恐れがあります。逆に親の負担分を登記に反映しないと、親から子への資金移転とみなされます。登記は資金の流れを写す鏡であるという前提を、家族全員で共有しておいてください。

負担額を確定させる際は、建物本体工事費だけでなく、付帯工事費や設計料、諸費用まで含めた住宅取得のための支出を対象とします。手付金や中間金を誰の口座から支払ったかも記録として残ります。現金でやり取りすると証跡が残らず、後から説明が難しくなるため、振込で処理する運用が確実です。

共有名義には検討すべき側面もあります。将来の売却や建て替えには共有者全員の同意が要り、親の相続が発生すれば親の持分が複数の相続人へ分散する可能性があります。春日井市で長く住み続ける前提であれば大きな支障は生じにくいものの、転居の可能性がある家庭では、単独名義とし親からの資金は贈与特例で処理する組み立ても選択肢になります。

端数は登記前に司法書士へ相談する

負担割合が割り切れない数値になった場合、分母を大きくして実態に近い分数で登記します。四捨五入で丸めると差額が生じます。最終的な支払総額が固まった段階で計算し直す手順を、登記依頼時に伝えておいてください。

諸費用の負担者も記録に残す

登記費用や火災保険料は取得費に含まれない部分があり、扱いが異なります。誰がどの費目を払ったかを一覧にしておくと、税務相談の場で判断が速く進みます。支払明細を年度ごとに保管する習慣が役立ちます。

参考:実家の敷地内に離れを建てる稲沢の注文住宅の法規制クリア術

8. 注文住宅の親世帯とのプライバシーを保つ間取り相談

同一敷地内で二つの世帯が暮らす計画では、設備を分けるだけでは快適さが確保できません。実際に不満として挙がるのは、生活音、視線、来客動線、そして気配の伝わり方です。設計段階でこれらを構造的に処理しておくと、日々の気疲れを大きく減らせます。

音への対処では、上下階の関係を優先して整理します。二世帯住宅で親世帯を1階、子世帯を2階とする構成は動線上は合理的ですが、子世帯の水回りや洗濯機を親世帯の寝室の直上に配置すると、給排水音が夜間に響きます。水回りは上下階でそろえ、寝室の上には居室を置かない配置が基本です。壁については、界壁に遮音性能の高い断熱材を充填し、コンセントボックスの位置を上下でずらす処置が効果を生みます。

視線の処理は、窓の高さと開口方向で調整します。既存の親世帯住宅と新築が向かい合う配置では、リビングの掃き出し窓が正対しないよう平面計画の段階でずらします。どうしても近接する場合は、高窓や地窓を用いて採光を確保しつつ視線を切る方法が有効です。目隠しフェンスを後付けするより、開口部の計画で解決するほうが費用も見栄えも優れます。

来客動線は、玄関を分けるかどうかで大きく変わります。玄関を共用にすると建築費は抑えられますが、互いの来客や帰宅時間が常に把握される状態になります。春日井市のように敷地に一定の広がりを確保しやすい地域では、玄関を分けたうえで内部に行き来できる建具を設ける折衷案が採用しやすく、独立性と行き来のしやすさを両立できます。

共用部は数を絞って明確に決める

玄関、浴室、洗面、洗濯、リビングのうち何を共用にするかを曖昧にすると、入居後に譲り合いの負担が続きます。共用は一つか二つに絞り、使用時間の希望まで話し合って決める進め方が現実的です。

光熱費の分計はメーター設置で判断する

電気やガスを一つの契約で賄うと、使用量の差が不満につながります。契約を分ければ請求も分かれ、精算の手間が消えます。初期費用と将来の運用負担を比べ、設計段階で結論を出しておいてください。

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9. 将来の同居や介護を考慮したバリアフリー選び

入居時点で親世帯が元気であっても、住宅の使用期間は数十年に及びます。後から改修すると壁や床の解体を伴い、新築時に組み込むより費用が膨らみます。すべてを最初から仕上げる必要はなく、将来の改修を受け入れられる下地と寸法を確保しておく考え方が合理的です。

優先度が高いのは、廊下と開口部の有効幅です。車椅子での通行を想定するなら、廊下は有効780mm以上、居室の出入口は引き戸として有効750mm以上を確保します。開き戸は介助時に体を引く動作が必要になるため、寝室と便所は引き戸を基本とする設計が扱いやすくなります。便所は間口を広めに取り、便器の側方と前方に介助スペースを残しておくと、後の改修が軽く済みます。

手すりは、設置予定箇所の壁内に下地補強を入れておく対応で足ります。廊下、階段、浴室、便所、玄関の上がり框付近が主な候補です。仕上がってしまうと補強の追加は困難なため、電気配線の打ち合わせと同じ時期に位置を確定させてください。下地補強は数万円規模の投資で、将来の改修費を大幅に圧縮します。

温熱環境も介護に直結する要素です。居室と廊下、浴室の温度差はヒートショックの原因となるため、断熱性能を高めて住宅内の温度差を小さく保つ設計が求められます。春日井市は夏の高温と冬の冷え込みが明確に分かれる気候であり、断熱等級の引き上げと窓の性能向上は、光熱費の抑制と健康面の双方に効きます。将来的にホームエレベーターを設置する可能性があるなら、上下階で同位置に収納を重ねておく方法も現実的です。

玄関アプローチは段差と勾配で判断する

スロープは長さを確保できないと急勾配になり、かえって使いにくくなります。敷地に余裕がなければ、段を低く刻んで手すりを設ける対応が有効です。設計者に実寸で検討してもらってください。

寝室と便所は距離を短く配置する

夜間の移動距離が長いと、転倒の危険が高まります。寝室から便所まで一直線に近い動線を確保し、途中に段差を設けない配置が安全です。足元灯の位置も同時に決めておくと安心できます。

10. 敷地内の高低差による擁壁工事の見積もり

親の土地が道路や隣地との間に高低差を抱えている場合、擁壁の扱いが総額を左右します。春日井市は市域の東部に丘陵地が広がり、造成された住宅地でも道路面と宅盤の間に段差が残る区画が見られます。既存の擁壁があるからそのまま使えるという判断は危険で、建築確認の過程で安全性が問われる場面が出てきます。

特に注意すべきは、古い時代に築造された空石積みや間知石積みの擁壁です。現行の基準に適合していない構造物の上に新築すると、建物の荷重が擁壁へ及び、安全性の確認を求められます。擁壁の造り替えが必要と判断されれば、鉄筋コンクリート造の新設費用が加わり、数百万円規模の支出になる場合もあります。既存擁壁の構造種別と築造年、確認申請の有無を、契約前に調べておくことが資金計画を守ります。

高さが2mを超える擁壁は工作物の確認申請が必要となり、宅地造成に関する規制区域内であれば別途の許可手続きも生じます。手続きには審査期間があり、着工時期に影響します。設計と申請のスケジュールを住宅会社と共有し、引き渡し時期から逆算した工程を組んでください。

費用を抑える方向としては、擁壁を新設せずに深基礎で対応する方法や、高低差を活かして半地下の収納を設ける方法があります。ただし土圧の処理や排水計画が不十分だと、後年に湿気や不同沈下の問題を招きます。地盤調査の結果と併せて構造設計者の判断を仰ぎ、複数案の費用と耐久性を比較したうえで決定する進め方が確実です。

擁壁の費用負担は親子間で整理しておく

擁壁は土地に付随する構造物であり、土地所有者である親の資産価値に関わります。子が全額負担すると資金移転の論点が生じます。誰が発注し誰が支払うかを、税理士の確認を得て決めてください。

地盤調査は擁壁の検討前に実施する

地盤の状態が判明しないまま擁壁の仕様を決めると、後から改良工事が重なります。調査結果をもとに基礎形式と擁壁を同時に検討すれば、重複した補強を避けられます。順序を守る対応が費用を抑えます。

判断の順序を守れば親の土地は最大の資産になります

親の土地に建てる注文住宅は、土地代が不要という利点の一方で、税務・登記・敷地条件という三つの領域で判断を求められます。使用貸借か賃貸借か、資金をどの制度で受け取るか、名義と持分をどう設定するか。これらは着工後には修正が利かず、相続の場面まで影響が続きます。

実務としては、まず敷地調査と既存構造物の確認を先行させ、解体費や擁壁、給排水の引き込みといった変動要素を金額として把握してください。そのうえで資金の拠出割合を確定し、税理士と司法書士へ同じ資料を示して名義の方針を固めます。設計の詳細を詰めるのはその後で構いません。

順序を逆にすると、間取りが決まってから税務上の制約に気づき、計画の練り直しが生じます。相談の順番を整えることが、そのまま総額と将来の安心につながります。春日井市で計画を進める際は、地域の敷地条件を理解した設計者と、相続まで見通せる専門家を早い段階で確保してください。

親の土地に建てる春日井の注文住宅に関するよくある質問

Q. 親の土地を無償で借りると贈与税はかかりますか

A. 使用貸借であれば贈与税はかかりません。

借地権の価値が発生しないものとして扱われるためです。固定資産税相当額の負担も無償と同じ範囲と判断されます。

 

 

Q. 贈与税が非課税でも申告は必要ですか

A. 税額がゼロでも申告が必要です。

申告を怠ると特例の適用を受けられません。贈与を受けた年の翌年に、期限内で手続きを済ませてください。

 

 

Q. 解体費用は住宅ローンに含められますか

A. 金融機関によって扱いが分かれます。

付帯工事費として認める商品もあれば対象外とする商品もあります。事前審査の段階で見積書を示し確認してください。

 

 

Q. 既存の擁壁はそのまま利用できますか

A. 構造と築造年の確認が前提になります。

古い石積みは現行基準に適合しない場合があります。設計者に安全性を検証してもらった上で判断してください。

 

 

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この記事を書いた人

sumica

注文住宅の相談窓口 sumica(スミカ)編集部

小牧・春日井・稲沢エリアを中心に展開する注文住宅の相談窓口「sumica(スミカ)」の専門アドバイザーチームです。年間1,000件の相談実績と、70社を超える提携ハウスメーカー・工務店の最新データに基づき、土地探しから資金計画、住宅会社選びまで中立的な立場でサポートしています。本コラムでは、地域の気候特性や不動産市場に精通した住宅づくりのプロが、初めてマイホームを検討する方に役立つ客観的で実践的な情報を分かりやすく解説します。

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